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良い物件を安く買えるのは今だけ!? さくら事務所 長嶋修さんが語る、住宅市場“激変”の兆し。

良い物件を安く買えるのは今だけ!? さくら事務所 長嶋修さんが語る、住宅市場“激変”の兆し。

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中古住宅のこと、正しく理解してますか?

手頃な価格でマイホームを手に入れるための選択肢として、また“空き家増”という深刻な社会問題を解消する手段として、いま中古住宅に注目が集まっています。

とはいえ消費者からすると、中古住宅ってやっぱり不安です。中古中古と言われると、むしろ「売り手側が何か情報操作しようとしてるんじゃないの!?」と、疑念が浮かんできたり……。消費者と中古住宅との距離は、いまいち近づいていないのかもしれません。

そこで今回、日本における個人向け不動産コンサルティングサービスの第一人者「株式会社 さくら事務所」会長で不動産コンサルタントの長嶋修さんを直撃。中古住宅に関する率直なギモンをぶつけてみました。「不動産の達人」として知られ、「売り手側の論理でなく、購入者のみの立場にたつ」と公言する長嶋さんのお話から、中古住宅の真実を探ります。

長嶋修 氏 Osamu Nagashima

不動産売買業務の幅広い経験をもとに、個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を、業界に先駆け1999年に設立。以降、様々な活動を通じて“第三者性を堅持した不動産コンサルタント”第一人者としての地位を確立する。著書・マスコミ掲載やテレビ出演、セミナー・講演等の実績多数。

良い物件を安く買えるのは今だけ!? 中古住宅の評価の方法が変わる。

― さくら事務所では、中古住宅の購入相談なども受け付けていらしゃいますよね。中古住宅への注目度が、ここ数年でどんどん高まっている印象を受けます。

そうですね。中古住宅を取り巻く状況も、大きく変わってきていますよ。例えば、中古住宅の価値評価の基準が、早ければ来年からガラッと変わります。

― そうなんですか!?

ええ。金融機関のほうで新たな評価の仕組みを定めようという動きが進んでいます。

これまでは、どんな物件であれ、住宅の価値は毎年一定の割合で下がっていき、築25年~30年でゼロになっていました。

そうではなく、ここが壊れていたらマイナス何点、劣化していたらマイナス何点というように、一律の査定項目を定めて物件ごとにきちんと評価しましょうと、そういう方向に動いているんです。早ければ2015年から、遅くともおそらく数年のうちには、その査定項目を使った評価の仕組みがスタートすることになると思います。

― 同じ築20年でも、価値が下がっていないものもあれば大きく落ちているものもあったり、差が出るようになるわけですね。でも、なぜ建物の評価を金融機関が行なうんですか?

住宅を現金買いする人がほとんどいないからですよ。多くの場合、住宅ローンを使って購入することになるので、住宅の価値を金融機関に評価してもらう必要があるんですね。

例えば、市場価値が2000万円という物件があったとします。でも建物の質がめちゃくちゃ高く、売主は2500万円で売ろうとしている。買う側もその価値を認めて「2500万円で買ってもいい」と言ったとしますよね。でも、金融機関がその家に2500万円の価値を付けなければ、ローンを組めなくて買えないんです。

― これまでの仕組みでは、実質的に2500万円の価値のある物件が、2000万円の価値しか認めてもらえない、ということが起こっていたと。

そう。現在もそうですよ。同じ2000万円のマンション10戸並べても、本当は2000万円の価値のないものもあるし、その逆もある。だからある意味、質の高い物件を見極めることができさえすれば、良いものを安く買うことができるとも言えますね(笑)。

質の高い物件とそうでない物件が、ハッキリ色分けされる時代に。

― 新しい評価基準について、もう少し詳しく教えていただけますか?

大きく2つあるんですが、一つはリフォームやリノベーションの実績をプラス評価するという方法です。新築時から徐々に価値が下がっていくものの、途中で300万円のリフォームをしたら、その分だけ価値が上昇する。評価の手法としては幼稚ですが、今まではこれすらやっていなかったわけです。とりあえずこの手法を導入してみようというのが一つの動きですね。

― もう一つは?

築30年の物件があったとします。その物件を建物の専門家が実際に見て調べたところ、築15年レベルの状態だった。そうなった場合に、築15年当時と同じ価値を認めましょう、というのがもう一つの手法です。実際の築年数から“若返り”をするわけです。

この2つの組み合わせで評価していこうということは、ほぼ確定しています。具体的な査定項目など細かな部分を、今まさに固めている段階です。

― まとめると、これまで中古住宅は築年数が経つごとに一律で価値が下がっていく仕組みになっていて、正しく査定・評価されていなかった。そこにきちんとした評価の軸が設けられて、物件ごとにきちんと査定されるようになる、ということですよね?

そうです。金融機関は今まで、物件を見に行ってすらいなかったわけですから。大きな変化です。質のいい物件は高く評価されるし、そうじゃないものはそうじゃないとハッキリ色分けされるようになります。

― 買う側にとっても、物件の良し悪しが分かりやすくなりますね。

そうですね。ただ先ほども言った通り、良い物件を安く手に入れる、“おいしい買い物”はしづらくなります、と。

― なるほど。質の良し悪しを見極めることさえできれば、今が買い時というわけですね。

 

(次回に続きます)

 ▼インタビュー第2回はこちら
中古住宅の耐震性ってどこまで信頼できる? さくら事務所 長嶋修さんに聞く(2)

 

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