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家は、一生に一度の買い物ではなくなる!? さくら事務所 長嶋修さんに聞く(5)

家は、一生に一度の買い物ではなくなる!? さくら事務所 長嶋修さんに聞く(5)

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4回にわたってお送りした、「さくら事務所」会長で不動産コンサルタントの長嶋修さんへのインタビューも今回が最終回。住宅市場の変化から中古住宅を購入する際の具体的なポイントまで伺ってきましたが、最後に「これから家を買おうとしている方」に向けたアドバイスを伺いました。

▼これまでの記事はこちら
第1回 良い物件を安く買えるのは今だけ!? 住宅市場“激変”の兆し。
第2回 中古住宅の耐震性ってどこまで信頼できる?
第3回 押さえておきたいホームインスペクションの基礎知識
第4回 管理状態の良いマンションの見極め方は?

これから、日本の住宅事情はどう変わっていくのか?

― いろいろと中古住宅の良し悪しを見極めるポイントを教えていただきましたが、最後に、これから家を買おうと検討している方に向けて何か一つアドバイスをいただけますか?

お話したとおり、日本の住宅市場はこれから大きく変わります。今の価値観で考えずに、近い将来、住宅市場が根本的に変わったときにどうなるかを見据えて買うのが良いと思います。

そういう意味では、築年数は本当に関係ないですよ。中古住宅の市場は、これから一気に整備されていきます。中古住宅の資産価値が適正に認められるようになる。とはいえ、すべての住宅の価値が保たれるわけではありません。建物の質と立地がダメなものは、どこまでいってもダメです。逆に、良いものは価値が落ちにくくなるし、中には上がるものも出てくるでしょう。そうなった時のことを考えて物件を選ぶべきだと思いますね。

― アメリカやヨ―ロッパのように、日本でも中古住宅が当たり前になるでしょうか?

イギリスなんかは、物件の売り図面に築年数も書いていないですからね。誰も気にしていない。でもそういう市場も昨日今日で出来たわけではなくて、イギリスも80年~100年ほど前に「中古住宅ってやっぱりよく分かんないよね」という時代があったんですよ。アメリカも同様です。1970年~80年代までは、新築主導だったんです。

― そうなんですか!?

日本で言うところの高度経済成長が、アメリカでは1950年代。「郊外の白い一戸建てに住むのが夢」みたいな時代があったんですね。で、その頃に作られた新築が、1970年代~80年代になって一気に中古住宅として市場に出てきた。その頃は今の日本と同じように「中古って不安だよね」ということが言われていて、その中で自然発生的にホームインスペクション(住宅診断)が出てきて。結局、中古住宅主導になっていったのは90年代に入ってからです。

― そんなに昔のことというわけではないんですね……。

日本より20年~30年ほど進んでいる、という程度ですよ。いま日本はアメリカの住宅市場を参考にしながら市場を作っていこうとしているので、おそらく20年はかからないですね。私の感覚としては、10年~15年すると、日本でもはっきりと中古市場がメインになると思います。

15年後の住宅市場って、中古住宅を買うことはヘンなことでもリスクがあることでもない。むしろ新築の数が減るので、「中古を買ってリフォーム・リノベーション」という情報ばかりになると思いますよ。それが普通になります。

家は一生に一回の買い物じゃなくなる?

― そうなると、住む人の価値観も変わっていきそうですね。今はまだ、家って一生に一回の大きな買い物という意識が強いですけど、マイホームの“住み替え”が当たり前になっていくような……。

中古住宅の資産価値が落ちにくくなれば、そうなるでしょうね。築20年の物件を2000万円で買って、10年後、築30年になったとき同じ2000万円で売れれば、貯金していたのとほぼ一緒じゃないですか。こうなると、本当に中古住宅を買う意味が出てくるんですよね。住み替えだってポンポンできる。

実際、他の先進国はそうなんです。アメリカでは10年に1回以上の割合で住み替えをするんですね。イギリスも頻度が高いです。25歳くらいで結婚、最初は都市部の2000万円~3000万円くらいのアパートメントに住んで、そのうち子どもができる。そうすると荷物も増えてくるし、子育てしやすいように郊外の一戸建てに引っ越すんです。子どもと一緒に暮らすのって20年か、長くても25年くらいですよね。また必ず夫婦2人か1人になる時期がくるので、その土地が気に入っていれば今の家を売って、もっと小ぶりな物件に住み替え。あるいは、都市部に戻ってくる。

こういうふうに、ライフサイクルにあわせてバンバン住み替えるんですが、それができるのも住んでる家の価値が落ちていないからなんですよね。

― 日本でも同じようになるでしょうか?

少なくとも、都市部はそうなると思いますよ。

― なるほど…。日本の住宅事情、これからますます変わっていきそうですね。貴重なお話、ありがとうございました。

 

(終わり)

 

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