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HandiHouse project と考える「日本の家、どうすればもっと面白くなる?」(前編)

HandiHouse project と考える「日本の家、どうすればもっと面白くなる?」(前編)

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リノベーション、DIY、小屋、カスタマイズできる賃貸住宅……。ここ最近、住まいの新たな選択肢が注目されるようになっています。HandiHouse project(ハンディハウスプロジェクト ※以下「ハンディ」)という若手建築家集団をご存知でしょうか? 彼らが実践するのは、その名のとおり“手仕事の家づくり”。設計・デザインから施工まですべてを自分たちで手がけ、さらには施主さんを巻き込み一緒にDIYで家づくりを行なうというユニークな活動で話題を集めています。

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(左から)坂田裕貴さん、中田裕一さん、山崎大輔さん、加藤渓一さん、荒木伸哉さん

従来のやり方とは全く異なるアプローチで家づくりと向き合っているハンディのメンバーたち。彼らが考える「理想の家づくり」を探るべく、メンバーの中から加藤さん、中田さん、坂田さん、山崎さん(途中参加)の4名にお話を伺いました。

 

住まい手の意識、変わってきてると思いますか?

― 中古住宅のリノベーションから新築戸建てまで、これまでに40件ほどの家づくりに携わっているそうですね。ハンディと一緒に家づくりしたいというお客さんってどんな方なのでしょうか?

加藤:年齢は30代前半〜40代前半。結婚してすぐ家を買うという方もいれば、小学生くらいのお子さんをお持ちの方もいらっしゃいます。ただ最近では、子どもが独立された家に手を入れたい50代の方など、幅が広がっているように感じます。

中田:単にかっこいい家に住みたいというわけではなく、自分も手を動かして一緒につくりたいと考えている人のほうが多いと思います。ただ、すでにDIYやってますという人ではないんですよね。やっていないんだけど、興味はあるという人。

加藤:設計事務所や工務店に話を聞いたんだけど、一般的な家の建て方に違和感を感じて「やっぱりハンディで」みたいな方もいらっしゃいますね。

中田:ネットの存在が大きい。今はInstagramなどで常に情報に触れられるから、お客さん自身のイメージ力が格段に上がっています。それにお客さん自身で建材だって買えてしまう。今までできなかったことができるようになったおかげで、住まい手の意識が変わってきている部分はあるのかなと思います。

坂田:と言っても、ハンディのお客さんって玄人っぽいタイプの方は少ない気がする。知識がすごくあるというよりも、モチベーションがすごく高いというか。

― 今ある「家」の買い方に、あんまり満足できなくなっているという感じ?

加藤:ああ、そうですね。そうです。

中田:単に間取りだけの物件情報を見てもあまりピンとこない、みたいなね。

お施主さんと一緒に家づくり

施主さん自ら家づくりに関わっていくのが、ハンディのスタイル。


DIYやリノベーションは、“当たり前”になっていく?

― 今までの家の買い方に満足できない人というのは、これからますます増えていくのでしょうか?

中田:少し前の世代は、ハウスメーカーや工務店にお願いして新築を建てるという選択をする人が多かった。そうやって作られた家で育った子どもは、親が作った家を見て、「自分たちも同じように」と考える。

でも徐々にその流れが崩れ始めていて、例えばDIYやリノベーションで作られた家で暮らしている子どもも少しずつ出てきているわけです。こうしたケースが増えていくと、いつの日かDIYやリノベーションが家の作り方として当たり前になっていく可能性はあると思っています。一気に広がっていくというよりは、もっと長い時間をかけて変わっていくんじゃないかなと。

坂田:本当にDIYやリノベーションの文化が浸透したら、実は地方で盛んになる可能性もあるよね。でかいホームセンターとかそういうところもあるから、東京の人よりやりやすくなるかもしれない。

中田:でも、例えば九州の鹿児島は、リノベーションよりも圧倒的に新築なんですよ。土地も建材も安いし、職人の人件費も安いから、普通に新築が建てられちゃうんです。

坂田:一方で、社会的にリノベーションが浸透しきったとすると、新築かリノベかじゃなくて、シンプルに「自分でやりたいからリノベ」という人も結構でてくるんじゃないかと思う。それか、新築を建てるんだけど内装は自分でやります、みたいな人とか。

一方で、都市部は「マンションが多い」というのが一つの課題になるんじゃないかと思うんだよね。いま建っているマンションが、本当に100年以上の築年数に耐えられるのかどうか。誰かが言っていたと思うんだけど、あと20年くらいすると既存のマンションの耐久性がかなり落ちてしまって、また新築の需要が高まっていくんじゃないかと。

その答えは僕らには分からないけど、少なくとも設備に関しては、50年くらい経つと結構厳しい。躯体は50年もつけど、設備は20年スパンで変えなきゃいけない。それをどうするのか…みたいな問題はきっと増えてくると思うんだよね。

ハンディが手がけたマンションリノベ

ハンディが手がけた、築古マンションのリノベーション。


築20年よりも、築30年~40年のマンションのほうが面白い理由。

中田:ただ、マンションの場合、今はわりと古めの物件のほうが“面白い”というのはあるよね。

― 面白い、というのは?

加藤:いまリノベーションの対象になっている物件って築30年〜40年のものが多いと思うんですけど、それってちょうど「マンション」という商品が出始めた頃の建物なんですね。もともとパワーのあるデベロッパーが特に力を入れて建てているものなので……平たく言うと、効率や合理性をある程度“度外視”して作ったものなので、窓が異様に多かったり、とにかく自由に作られたものが多い気がします。

これが築20年くらいになると、途端に画一的になってくるんですね。間口が狭くて、南側にリビング、中央に水回り、北の通路側に個室が並んでいるような。あと10年くらいすると、こういう物件がリノベーションの対象になってくるじゃないですか。するとリノベが一気に面白くなくなっちゃうんじゃないかなと思っていて。要は、もともとが極めて合理的に、画一的な作りになっているので、リノベしても他の家との差が出にくい。結局、ちょっとした表層のリフォームしかやれなくなってしまう。

どこかのタイミングで、リノベーションとリフォームの境目がなくなってしまうような時代になるんじゃないかなと。

坂田:だから、新築マンションでも「内装を自由に作り込める」「開口部までいじれる」というようなものが出てくるんじゃない?

新築で戸建てを建てるにしても、建築家に建築を頼んで、内装はまた内装のインテリアデザイナーに依頼するとか、ぜひやってみてほしいよね。安藤忠雄の中に森田恭通が入るみたいな。そういうのが出てきたら、ちょっと「おお」と思うよね。

中田:賃貸物件でも、クロスを自分で選べる物件が出てきているじゃないですか。それも良いですよね。賃貸のカスタマイズであらかじめ感覚を掴むことができれば、自分で家を買うときに、思う存分、好きなように作れるので。

物件のポータルサイトとかでも、「間取り」「駅近」「コンビニまで何メートル」といったスペックの情報だけじゃなく、空間や仕上げの話が出てくるようになると面白いですよね。

 

(つづく)

後編はこちら

 

HandiHouse project の詳細はこちらから

オフィシャルWEBサイト

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