管理状態の良いマンションの見極め方は? さくら事務所 長嶋修さんに聞く(4)

    管理状態の良いマンションの見極め方は? さくら事務所 長嶋修さんに聞く(4)

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    「さくら事務所」会長で不動産コンサルタントの長嶋修さんへのインタビュー第4回。前回は、専門的な第三者によるホームインスペクション(※住宅診断)について詳しいお話を伺いましたが、プロにお願いする前に物件の良し悪しを見極めるポイントはないのでしょうか?今回は、特に中古マンションの管理状態について、必ずチェックしておきたいポイントについて伺っています。

    ▼これまでの記事はこちら
    第1回 良い物件を安く買えるのは今だけ!? 住宅市場“激変”の兆し。
    第2回 中古住宅の耐震性ってどこまで信頼できる?
    第3回 押さえておきたいホームインスペクションの基礎知識

    マンションの管理状態はどうやって見極めるべき?

    ― ちょっと話を変えて、これはぜひ伺ってみたかったんですが、“不動産のプロ”である長嶋さんご自身はどんな家にお住まいなんでしょう?

    私は、築46年のマンションですね。

    ― 46年!というと、旧耐震の物件ですね。

    そうです。もちろんそれだけ経年しているので、いろんなところが陳腐化していますけど、管理体制は素晴らしいんですよ。管理人も素晴らしい。積立金も潤沢で、陳腐化しているとはいえ清潔で十分住める。で、快適なんですね。

    隣に同じ築46年のマンションがあるんですが、こっちは正直、もうどうしようもない。管理規約が去年やっとできたくらいです。積立金も貯まっていないし、大規模修繕だって一度もやっていないんですよ。コンクリートから鉄筋がちょっとむき出しになっちゃっていたりしてね。朽ちていくのを待つだけ、という感じなんです。

    ― 管理でそこまで違ってくるんですね…。

    そう。でも今の市場だと、その2つが築46年のマンションとして同じ価格で売られるんですよ。

    ― なおさら物件の見極めが重要になってきますね…。そもそも、良いマンション管理って何なのでしょう?

    大きく2つです。建物の点検・メンテナンスと、日常的な清掃や植生管理といった快適性を保つための管理ですね。

    点検・メンテナンスは、ほどほどにやっておくのが建物全体の寿命をのばす絶対条件です。もう一つの快適性の部分は、これが意外と資産性に直結するんですよね。ポストまわりがキレイ、ゴミ置き場や駐車場・駐輪場が整理整頓されているというのは、やっぱり住む人の気分に大きく影響します。そういうところができていないマンションは、もう推して知るべし、なんですよね。往々にして修繕計画もきちんとできていないです。

    ― そこは素人でも見極められるところですね。良い管理状態を維持できる物件とそうでない物件、何が違うんですかね?

    マンションの管理組合の運営につきますね。
    例えば、管理状態が素晴らしいということでよく紹介される、東京の広尾ガーデンヒルズ。1984年から86年にかけて竣工しているので大体30年ほど経っていますが、新築当時の分譲価格が7,000万円台だったのに対して、現在の売り出し価格は1億円を超えています。

    あそこはとにかく管理組合の運営が素晴らしい。一つの「会社」のように運営されているんです。というのも、住んでいる方の多くが経営者だったり弁護士だったり。ある意味、組織づくり・組織運営のプロがいらっしゃるんですね。東京の白金のほうにも素晴らしい管理がされているマンションがありますが、その物件の管理組合の理事長さんは、たしか経営コンサルタントの方でした。ばっちり長期的な戦略を組んで、やってらっしゃるみたいです。大学教授の方が理事長のマンションもありましたが、そこも素晴らしかったですね。

    ― とすると、住んでいる方次第ということですか?

    正しく言えば、自分たちのマンションの資産性を維持するには、しっかりと管理・運用していく必要がある、ということに住人の方々が“気づいているかどうか”、でしょうか。

    ― その部分を見極める上で、何かポイントはありますか?

    情報開示に積極的かどうか、というのは一つのポイントではありますね。

    例えば、マンションの共用部分について。配管が具体的にどんな材質になっていて、将来どう修繕していくつもりなのか、そういったことはマンションの管理組合に聞くしかないんですよね。ですが現時点では開示義務がないため、マンションによっては「管理組合の議事録を見せてください」とお願いしても、「買わないと見せない」というところもあります。

    ― 買いたいから見たいのに。

    その通りです。なので、意識の高い管理組合があるマンションは積極的に開示していますね。こういう部分でも、質の良いマンションとそうでないマンションの格差は、如実に広がってきていると思います。

    建物の定期的な点検・修繕と整理整頓、そしてもう一つ管理組合の情報開示、この3つが揃っていれば中古マンションの質としてはおおむね問題ないはずです。

     

    (次回につづきます)

     

    ▼インタビュー第5回はこちら
    家は、一生に一度の買い物ではなくなる!? さくら事務所 長嶋修さんに聞く(5)

     

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