家計のなかでも最も大きな支出といえば、住宅費。都心部、特に東京都内は地価が高く、賃料が生活を圧迫しているケースも多いでしょう。適正な賃料の目安は一般的に「月収の3割」と言われることが多いようですが、実際に暮らしているリアルな生活者の感覚ではどうなのでしょうか? 今回は、東京都内で暮らす人を対象に、給料に対してどのくらいの賃料なら許容できるか、アンケートを行いました。
【質問】
都民に聞く、「毎月の家賃」は、お給料の何分の一まで許容できる?
【回答数】
二分の一:4
三分の一:43
四分の一:37
五分の一:16
遊びや自己投資にもまわしたい! 3分の1がぎりぎりのライン
今回のアンケートでは、「給料の3分の1」と答えた方が43名に及び、最も多い結果となりました。
お給料の3分の1程度で抑えなければ、自分のために使うお金が殆どなく、生活するために働く事になってしまうと思います。(40代/女性/専業主婦)
プライベートで遊ぶお金や趣味に費やすお金も必要。家賃は捨て金みたいなものなので、3分の1以上は出せない。(30代/男性/個人事業主)
家賃で給料の半分もとられていたら生活にならないが、ある程度の割合は仕方ないと思うから(20代/女性/学生)
多くの回答で見られたのが、家賃を給料の3分の1程度におさえないと、プライベートで使えるお金が無くなってしまうという意見。自分は一体、何のために働いているのか。少なくとも「いい家に住むため」と考える人はそう多くはないようです。一方、ある程度の割合は仕方がないという声も。東京の家賃の高さを改めて痛感させられます。
物価の高い都内だからこそ節約を。でも、それだと良い物件には出会えない?
二番目に多かったのは4分の1でした。3分の1と答えた方との差はわずかに6名。次いで5分の1、2分の1が続きます。
家賃の「4分の1」
4分の1までに抑えることが出来ればいいと思っています。消えていくお金なので出費は抑えたいと思います。(20代/男性/正社員)
生活費や将来に向けた貯蓄などを考えると、現在の月収では毎月の家賃は4分の1が限度です。(40代/男性/正社員)
家賃の「5分の1」
都内は物価が高いので、なるべく住居費はおさえられたら良いと思いますので、これくらいが理想です。(40代/女性/個人事業主)
家賃の「2分の1」
そのぐらいまでを考えないと、中々住みやすい物件に出会うことが出来ないから。(30代/女性/無職)
「3分の1」と答えた方と同様、家賃に関してはできる限りおさえたいといった意見が目立ちます。給料の4分の1くらいでないと貯金もできないといった声もみられました。将来のことも考えると、少々狭くても家賃はおさえたいと考える人も多いようです。理想的なのは5分の1といった意見もありますが、都内で住みやすい物件を考えると、給料の2分の1程度は覚悟しないと良い物件が見つからないとの回答も。自分自身に使えるお金を重視するのか、少々高くても暮らしやすい物件を選ぶのか。各人の価値観が明確にあらわれるポイントでしょう。
給料の3分の1〜4分の1が、都内で暮らす住居費の基本ラインか
今回のアンケートでは、給料の「3分の1」「4分の1」という選択肢に回答が集中する結果となりました。一般的に言われる「月収の3割」という基準に、比較的近しい感覚と言えそうです。とはいえ、各回答のコメントを見るかぎり、あくまで許容範囲ギリギリのラインであり、住居費の支出をできる限り抑えたいという思いが強くあることがうかがえます。今後、長期的には東京の地価が下がるだろうとの見立てもあるようですが、とはいえまだ先の話。新築や築浅ではなく、築古のリノベーション物件を探したり、築古物件をDIYしたりするなど、家賃を抑えつつ暮らしやすい住まいを実現する方法を試してみるのも一つの手かもしれません。
アンケート実施概要
■調査地域:東京都
■調査対象:年齢不問・男女
■調査期間:2017年08月17日~2017年08月31日
■有効回答数:100サンプル